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歳時記

頑丈な鉄の扉の向こうには
シリーズ 「塔へ」


すべてはこの扉から始まった…

暁の星のシンボル、高くそびえる塔

(過去の塔の写真へ)


しかし、

その塔の実体を知る人は少ない。

秘密のベールに包まれた塔の謎が
いま、明かされようとしている。

この扉は、
4階のとある部屋への入口である。

神秘の扉に手をかけるN先生の
こわばった顔に注目されたい。
その後の調べで、ピアノを弾いていたのは、音大を目指す生徒であったことが判明した。
ドアを開けると、そこは4階音楽室だった。

奥にあるグランドピアノ音が、早朝や夕方階下に鳴り響くことがあるという

暁の星唯一の4階にある部屋

この部屋の右手に
塔につながる扉があった。

この扉を開けると、

塔は目の前に姿を見せるはず

とその時、悲鳴にも似た声が

「カ、カギがあきません。」

「落ち着くんだ、退路は確保してある。」
と、平静さを装う私

塔よ、なぜに私たちを拒もうとするのか?
トラブル発生
落ち着いて試すと
ただ、カギの選択をまちがえていただけなのであった。
* その後の調査で、テスト弁のあるパイプは、
校内各所にある消火栓につながっていることが判明した。
しかし、なぜこんな高所に消火栓につながるパイプが? 

謎が謎をよぶ。
窓から様子をうかがうN先生
屋上から塔を見上げる
昼下がりの展望
ワイヤー入りのガラス窓越しに
私たちの見たものは…





最上階に設置してある
アンジェラスの鐘に
通じるはずの
階段であった。
           続く
謎の弁
かすかに見える階段
塔に近づくとそこには、

かたく閉ざされた扉が


おそるおそる窓をのぞいてみる。
しばし、眼下の情景に心なごませ

ふと、振り返ると
そこには不思議なものが

「テスト弁」

これはいったい
何のテストのために
存在する弁なのか?

「ウーム」、「ウ~ム」
気を取り直して
塔をめざす。





塔はもう、目の前だ











ついに、校舎の最高点に
登頂するときが
近づいた。
シリーズ 「塔へ」 その2


扉を開けると、

そこは屋上だった。

9月中旬というのに、
まばゆい日差しが照りつける。

仲良く並んだヒマラヤ杉や、
暁の星小学校・幼稚園も見える。


まったく
平和な昼下がりだ
「古風なスピーカー」が、

なかなか良いデザインである。

しかし、よく見ると、コードの先がぶら下がってる。
断線しているのだ。

塔ができたとき、このスピーカーは、
どんな音色で、人の声や、音楽を奏でていたのであろうか?


残念ながら今日は、約1mしか前進できなかった。
次回からは、いよいよあの階段を上っていくことになる。
何かを語りたがっているかのようなスピーカー
「タンク部屋」を出て、ふと頭上に目をやると、
そこには…
扉を開けると、
そこには、巨大なタンクが

思いもよらない展開であった。

しかし同時に一つの謎が解けた。

このタンクの水が、
私たちの、のどをうるおし、
実験の授業に使われ、

そして、
あの非常弁のついた
消火栓にもつながっていたのだ。

塔1階そこは「タンク部屋」だったのだ。
巨大なタンク
気を取り直して、

入ってきた扉の

すぐ左手にある扉を開けることにした。

おそる、おそる






一体のこの扉の中には、

何があるのだろう?
扉を開けようとするN先生
天にのびるワイヤー
見上げると、

取っ手につながるワイヤーは、
階段を貫通し

はるか上方に
つながっているようだ。

「ワイヤーは何の為に
くねりながら、存在しているのか?」


解決しなければならない謎が
また一つ増えた。
近づくと、
それは取っ手であった。
誰かに引かれるのを待っているかのような取っ手
歴史を感じさせる階段
シリーズ 「塔へ」 その3
(9/12より続く)


扉を開けると…

目の前に、
古い木製の階段が現れた。

壁ぎわをよく見ると、

ひものようなものが
ぶら下がっている。

いったいこれはなんであろう。
2002年9月10日(火)
2002年9月12日(木)
2002年9月21日(土)
2002年10月4日(金)
シリーズ 「塔へ」 その4


いよいよ、あの階段を上がる時がきた。

ミシミシ…
階段をふみしめるたびに
ミシミシ…ギュッキッ…ミシ
異音が鳴り響く



ふと、右手の窓枠の下に目をやると

そこには、得体の知れない模様が

長年の風雨が描いたのか?

しかし、窓枠は昨日塗ったかのように、
つややかであった。
雨のいたずら
階段の踊り場まで来ると



そこには、パイプがあった。

パイプは、上へとのびている。
これもまた、階段を貫きながら。




雨どいのようだが、
なぜ、屋内に雨どいがあるのか?

想像し難いしかけに満ちた建築物である。
天にのびるパイプ
祖谷のかずら橋を渡る恐怖がよみがえる。
さらに階段を上がる。



ミミミ

ミシミシ


音が恐れを増幅する。


しかし、昇らねばなるまい
永遠に続くかのような階段を

もっと上へ
特注の部品か?
階段のとちゅうで、不思議なものを発見した
なるほど、
階段を貫通しているワイヤーは、
滑車によって
導かれていたのか。
塔2階の部屋へ
机の森
ドアを開けると、
そこには、


おびただしい数の古い机やイスがあった。

創立時使用されていたものなのか

今ではほとんど見られなくなった

総木造のイスや机である。
歴史を感じさせる机
このような机を発見した。

年輪がくっきりとみえる

そして確かに、音楽と書かれている。
あの4階音楽室で
創立時から使用されていたものであろう。
塔3階の部屋を見上げる。
さらに階段を上がると

とびらがあった。
塔2階の部屋のとびらである。





右に見えるのは、
相変わらず
くねっているワイヤー
塔2階の部屋に別れをつげ
塔3階をめざす。
つながれたワイヤー
塔3階の部屋に通じるとびらに到達した。






ここでは、ワイヤーが天井に吸い込まれている。


ワイヤーをよく見ると
つながれた形跡がある。



どれほど大きな力で引っ張られたのか?

それとも、何度も引かれて
金属疲労をおこし切れたのか?
円と線
天井に吸い込まれるワイヤー
光そそぐ部屋
とびらを開けて塔3階の部屋に入ってみる。
独特の縦長の窓からは、
まぶしい光が降りそそいでいる。
このへやには、何もないのか?
一本弦のギター
その心配は杞憂におわった。


振り返ると

なぜか、一本の弦しかない
胡弓のようなギターが

窓辺に寄りかかっていた。
私たちを待っていたのは
一本弦のギターだけではなかった。

不思議な色の麦わら帽子

新しいのか古いのか判らない電話

そして…

黄金の
「三角帽子」であった。
不思議な取り合わせ
三角帽子をかぶって電話をしながらギターを弾く
そんな姿を想像してしまう。
かぶらずにはいられない
思わず、三角帽子をかぶってみるN先生であった。
つづく
2002年10月4日(金)
シリーズ 「塔へ」 その5

やはり、これはカギであったのか

毎回、塔に上がるたび
ジャラリン…
ジャラジャラ
と多くのカギを持ち歩いた。

その中にひときわ大きなハンドル付きのカギがあった。
このカギのおかげで
カギの束は、ポケットに入れることもできない、

だから手に持って
ミミミ、ジャラ、ミシミシ、ジャラジャラ
と、毎回階段を上っていたのだ。

「このカギはいったい何に使うのだろう?」
頭のどこかで、この疑問が
ブ~ン、ブ~ンと音を立て、舞っていた。


このカギが、
まさか、あのようなところで役に立つとは…
こんなところにはしごが
不思議なカギ
いよいよ、塔の最上階へ上がる時がやってきた。

あの、アンジェラスの鐘に会えるのだ。




しかし、続いていると思っていた階段は、…
続いて…ない。




だがよく見ると、鉄製はしごが上にのびている。

これに違いない。
鉄製はしごを上る。

手に、細いはしごが食い込む。

でも、あと少しで

アンジェラスの鐘に会える。


頑張らなくては。
はしごを上る西原先生
行く手を阻むふた
しかし、私たちの行く手は、阻まれた。


はしごの上には、強固なふたがあったのだ。


どうしよう、
カギがかかっているのか。

本当に開くのか?
もう一息
案ずるより、産むがやすし

道は、開かれた。


重い鉄のふただったが、

上に押せば、

開いた。
蔵王方面を臨む
ついにやってきた、塔の最上階に
暁の星の最上部に

夢にまで見た
この場所に。
見たことのない風景に心奪われる
えもいえない
満足感につつまれて

外の風景をながめる。
小さな2本杉
あの2本のヒマラヤ杉が、とても小さく見える。体育館の回りを走る生徒は、もっと小さい。
もっと小さな走る生徒
アンジェラスの鐘
後を振り返ると、アンジェラスの鐘だ、
この鐘が毎日、昼食前の祈りのときをつげる鐘である。

長年の風雨に耐えながらも、
気品のあるたたずまいである。
アンジェラスの鐘は、
スピーカーから流れているのだろうと
思っている生徒がいるが
とんでもない。

普通のスピーカーから、
あのような、荘厳で清らかな音が
再生されようはずがない。

実際に鐘は鳴っているのだ。

現在、この鐘は機械の力で、
毎日正確に鳴らされている。

どうも、 その中心となる装置が
このボックスのようだ。
顔に見えるボックス
このためのカギだったのか
塔の最上階は、
アーチ型の窓から
雨風が容赦なく吹き込んでくる。

その中で、狂いもなく何十年も
鐘を鳴らし続けてきた頭脳は、
少々くたびれ気味である。
錆が塗料を浸食している。

ふと見ると、見たことのないような
大きなかぎ穴が


そう、あのカギは、

このボックスをあけるカギだったのだ。

かぎ穴に差し込み
ひねると、思いもよらない光景が。
感動的な美しさ
ほこりひとつない
ボックスの中は、あたかも昨日配線されたようなきれいな状態だった。
これには、心底驚いた。

そして、正確に美しい鐘の音を鳴らそうと
関わった人々の思い入れを、ひしひしと感じた。
つづく
次回は、さらなるアンジェラスの鐘の秘密に迫ろうと決意し、
またふたを開け、下界にもどる私たちであった。
日常生活への扉
2002年11月20日(水)
シリーズ 「塔へ」 完結編


鐘の秘密に迫ろうと
塔の最上階に上がった
私たち

塔の最上階に上がると
その存在に気づいてくれといわんばかりに
一筋の光がさしていた。

その光の中に、これはあった。

古びた油差し


暁の星創立以来、
アンジェラスの鐘の
整備に使われてきたものであろう。

小さいが、
大きな存在感がある。
古びた油差し
一心に油を差す西原先生
日ごろの感謝を込めて、鐘に油が差したくなった。
まだ上へのびるパイプ
油差しの横には、
あの、階段を貫いてのびるパイプがあった。

やはり、これは、
雨どいだったのか。

そういえば、塔の回りには
いっさい、雨どいらしきものはない。

塔の美観を損ねないために
雨どいが、建物の中を
通っていたのか。

しかしこの場所からも、
パイプは上へのびている。

アーチ型の窓から吹き込む雨水は
どうなるのだろうか?
パイプへつながる穴
答えは、足下にあった。

パイプの根本には、
この階の雨水が流れ出すための
穴があけられていたのだ。

疑問が次々と解決し
うれしい。




次は、あの
くねるワイヤーの謎だ。
ここがワイヤーの終点
下から伸びるワイヤーは、

鐘につながる振り子の腕に
固定されていた。

塔一階の取っ手を引くことで
鐘が鳴らされる仕組みになっているのだ。







*実際、創立当初は
アンジェラスの鐘を鳴らすため
人が、塔一階まで
毎日通っていた。

鳴らす人により
鐘の鳴る間隔も
微妙に異なっていた。
鐘のメカニズム
ワイヤーのつながる腕の反対側には、
バランスをとるための重りが取りつけてあった。
鐘上部には、年号が
この鐘は卒業記念品だった。
鐘の上部には、「1955年第一回卒業記念」と旧字体でしるされている。
初代院長の銘
そして、鐘の中央には、マリー=イレーヌの名が刻んである。
マリー=イレーヌは、
暁の星の初代院長である。

鐘に込められた祈りを感じた。
これでは、高さは比べられない。
体育館と運動場
アーチ型の窓から外をながめてみる。
運動場では、体育の授業がおこなわれている。
持久走をする生徒の姿がかすかに見える。
NKK方面を臨む
別の窓からは、屋上のアーチが見える。
遠くには、NKKの煙突もかすかに見える。


このとき、私たちは、気づいてはいけないものに
気づいてしまった。


あ、あれは
目の前にある巨大な構造物は
「煙突」
私たちは、暁の星の最高点に
到達したはずだ。
まさか?…
アーチ窓から煙突が見える
あの
「煙突」は、
ここより、高くないはず…
まさかあの煙突は…
まさか
「煙突」は、…
早速、屋上に降り
塔と、煙突を眺めてみた。


うーん
何ともいえない。


どちらが高いのか?



暁の星の最高点に立つという
目標は、
おあずけになった。

しかし、今回の塔の探検は
実り多いものだった。

塔には、暁の星の歴史と精神が
今も息づいている。
とんぼのしるし
エピローグ

偶然、
屋上の床で、不思議なものを見つけた。

トンボの化石のようなものである。

もちろんこれは、化石ではなく
不運な数十年前のトンボの
しるしだ。

私たちは、考古学者の喜びを
垣間見た気がした。